for love  〜その隙間にあるもの〜


     
     ずっとゆるしが欲しかった
     誰も責めてはいないのに
     さげすむ声でも 責める声でも 恨む声ですらも
     本当に どんな声でも良かった
     あなたの声が聞けるのであれば


     切なくて 歯がゆくて 
     苦しくて 泣きたくなっても
     生きていこうと思うのは
     私自身であり続けようとするのは
     "えいえん"を知ったから?


     月が巡り続ける間
     生き続けたのは
     あなたを追いかけ続けていたから?
     あなたとの違いを知ったから?
     それとも距離を知っても 埋める方法がないと気が付いたから?


     あと一年ひととせ月が巡れば
     あの日と同じ月になる
     時は全てを容赦なく押しやろうとするけど
     過去に取り残された心はそのまま
     氷ついた皮膜は取り除けない


     夢幻の香りに包まれて
     ずっと過去の夢を見ていたい
     自分の中で変容していく 都合のいいあなた
     癒された悲しみが元に戻ってもいいから
     本来の貴方を見続けていたいと そう思う


     えにしは一方的な絆に変わり
     絶望からは立ち上がっているにも関わらず
     少しずつ前に歩んでいる筈なのに
     未だに見上げる空が滲むのは
     やはりあなたがいないせいかもしれない――